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東大ITチーム・坂口来輝が語る「アート×IT」の最前線。カイカイキキで彼が見つめる未来とは。

東大ITチーム・坂口来輝が語る「アート×IT」の最前線。カイカイキキで彼が見つめる未来とは。

歴史漫画に耽った幼少期

まずは自己紹介からお願いします。

坂口来輝です。今は東京大学工学部の電子情報工学科の4年生です。本当は(同期の)後藤や西岡と同じ代なんですけど、1年間交換留学に行っていたので、ひとつ下の代になっています。

これまでの生い立ちを教えてください。転勤族だったとか?

いわゆる「転勤族」ってほどではないんですけど、タイミングが重なって移動は多かったですね。生まれは横浜で、小学校に上がる前に津市に引っ越しました。僕が小児喘息に罹ってしまったので、「都会のガサガサした空気より、田舎の方がいいだろう」っていう両親の判断で。
その後、小6の6月に、いきなり香港へ(笑)。めちゃくちゃ微妙な時期ですよね。でも、おかげで修学旅行に2回行けたのでラッキーでした。中学卒業まで香港の日本人学校にいました。

香港での生活はどうでしたか?

普通にスクールバスで学校に行って、放課後は部活して。学校生活は日本のものとさほど変わらないと思います。ただ、日常生活の面では津市の小中学校では経験できないような貴重な体験もできて、香港という国際都市で多感な時期を過ごせたのは幸運だったと思います。

当時はどんな子供だったんですか?

よく先生にブチギレられてました。授業中に静かにしてなかったり、授業中に全然関係ない本を読んで怒られてました。

なんの本を読んでたんですか?

図書室にあった「歴史漫画」です。当時はとにかく歴史が好きで。高校で暗記科目になってからは一度嫌いになったんですけど、最近になってまた歴史の面白さに立ち返ってますね。


※※坂口くん撮影:香港時代の学校からの景色

なぜ「東大」だったのか。独自の受験哲学

高校は奈良の西大和学園ですよね。かなりの進学校ですが、なぜそこを?

当時、日本に家がなかったので、寮がある学校じゃないとダメだったんです。親が西大和をすごく気に入って勧めてきて、自分でも調べたら面白そうで。実際に入ってみたら、いわゆる「自称進学校」が実績を出して本当に進学校になった、みたいな勢いのある学校でした。高3の夏までには全範囲を終わらせるようなカリキュラムで。

そこから東大を目指したのは、自然な流れだった?

そうですね、学校全体の「頭いいやつは東大受けるよね」っていう空気感に流されるままに(笑)。「絶対に東大がいい!」みたいな強いこだわりはなかったです。京大も考えたんですけど、過去問を解いてみたら東大の方が僕には受かりやすそうだなと思って。

東大と京大、どう違ったんですか?

京大は数学も英語も、突拍子もない発想とかめちゃくちゃ難しい単語を求めてくる「変態」が多いイメージ(笑)。対して東大は、質は高いけど、基礎をしっかり積み上げていけば辿り着ける。僕はどちらかというと効率よく積み上げるタイプだったので、東大を選びました。

カイカイキキでの衝撃。「アートの総合商社」の実態

現在は「カイカイキキ」でITチームとして働いていますが、きっかけは?

春休み前くらいに、後藤から「インターン紹介したい」って言われて。カイカイキキ自体は知らなかったんですけど、村上隆さんの作品は見たことがあったので、「あ、あの人のところなんだ」って。

最初、どんな印象を持ちましたか?

正直、「アートの総合商社ってなんだよ」って思ってました(笑)。YouTubeで動画を見ても、「なんだこれは……」と。でも実際に関わってみると、めちゃくちゃデータを活用してるんですよね。

「孤高の芸術家が一人で描く」イメージとは真逆だと。

そうですね。三芳のスタジオや中野のオフィスを見学させてもらった時も、プロの集団だなと感じました。村上さんという一人の思想に基づいて、分業制で完璧に仕上げていく。その現場で僕ら東大ITチームが動いています。

「IT×アート」で何を変えるのか

具体的にはどのような業務をしているんですか?

ECサイトや店舗販売のシステム開発、あとは他部署のDX支援ですね。「AIを導入したいけど、技術的に可能かわからない」といった相談を受けて、解決策を提案したり。

東大ITチームとしての強みはどこにあると思いますか?

学生なので、教授や周りから新しい知識が半自動的に入ってくる環境にいること。あとは、外部の支援会社だと「案件をこなしてナンボ」になりがちですが、僕らは専属チームとして、細かい要望にも柔軟に、泥臭く応えられる。これが強みですね。

今、ハッカソンも企画していたとか。

はい。カイカイキキにはITに精通した人がまだ少ない。一方で、ITを学んでいる学生はアートの世界に触れる機会が少ない。その両方を繋ぎたい。最近は生成AIなどで「コードを書く」作業自体の価値が相対的に下がってきている。だからこそ、アートとか思想といった部分が今後より重要になるし、面白くなる。それをハッカソンを通じて広めたいですね。

究極の目標は「衣食住」、そして「農業」へ

将来のビジョンについて教えてください。

明確なものはまだないんですけど、最終的には「衣食住」が大切だと思っていて、特に「農業」に興味があります。
田舎に住んでいた時期が長かったからかもしれません。東京や大阪は人も先端技術も集まってますけど、僕の祖父母の家の周りは人も減り、綺麗に管理されていた田畑も荒れ地に変わりつつある。。そういう場所にテクノロジーを届けて、農業に役立つような製品やアイデアを作れたらな、っていうのが究極の目標です。

カイカイキキでインターンを考えている学生へメッセージ

最後に、これから一緒に働くかもしれない学生たちへ一言お願いします。

大学で学んでいるアルゴリズムやプログラミングの基礎を実際の現場でどう使うのかを知るのは、すごくいい経験になります。
特にカイカイキキは、自分たちでゼロから何かを作って、それを形にして他の人に使ってもらうという過程において、すごく裁量権があります。「これやりたい」と言えば、「いいよ、やってみて」と自由に決めていける会社。今まで勉強してきた内容を、自分の手で形にしたい人には、めちゃくちゃおすすめです。実力もつくし、価値観が変わると思いますよ。

坂口 来輝(さかぐち らいき)

東京大学工学部 電子情報工学科 4年。横浜生まれ。香港での中学生活、奈良・西大和学園での寮生活を経て東大へ入学。現在はカイカイキキの東大ITチームの主力メンバーとして、アート現場のDX化を推進している。将来はITを駆使した農業支援を夢見る。